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ルイ・ヴィトンのシリアルナンバー②

2022/04/14

 

先月書かせていただいた記事の続きです。

 

先回は,ルイ・ヴィトンの製品には「型番」と「シリアルナンバー」があるとお伝えしました。今回,なぜこのシリアルナンバーについて記事にしたのかを書かせていただきます。

 

それは,シリアルナンバーが無くなったからです・・・,

というのはあまり正確ではないのですが,ご説明させていただきます。

 

今までルイ・ヴィトンの製品には,その製品のどこかにシリアルナンバーが刻印されていました。製品によって刻印の場所は様々で,基本的には見つけにくい場所にあります。「この刻印が無ければ偽物」と,真贋の判定基準にもなっていたほどです。

(稀なケースとして,シリアルナンバーが入っていない場合もあります。しかしそれは,かなり古い,正規店でのリペアによる張り替え,入れ忘れなど,かなりレアなケースです。)

 

また,先回の記事にも書かせていただいた通り,この数字はその製品が作られた「地域と時期」を表しており,その配列には法則があります。この法則に則っていなければやはり偽物と判断することができます。

 

このように,かなり重要と感じるこのシリアルナンバーですが,これがはっきりいつからとは分からないのですが,2021年ころから入っていない製品が出てきました。今まで当たり前に入っていた刻印が突然無くなったわけです。

 

これが「正確ではない」と上で書きましたのは,刻印はなくなりましたが,商品管理のためのデータが製品に入ることになりました。それが「RFID」というICチップによって行われます。つまり商品管理のための情報が書き込まれたICチップが製品に埋め込まれており,それを専用の機材で読み込むことによって,製品を管理することができるようです。

 

このRFIDですが,一部情報によりますとスマホのアプリで読み込むことができるそうです。しかし残念ながら,読み取ったシリアルは今までのような「2文字のアルファベットと4桁の数字」ではなくなっているようです。つまり「地域と時期」は分からないということになります。

 

その製品が造られた「時期」は,バッグの査定において少なからぬ影響があります。例えば,バッグの新品の定義を「製造から半年以内の未使用品」と定めているお店も少なくありません。RFIDでは製造時期が判別できなくなります。

 

このように,シリアルナンバーが刻印からRFIDに切り替わったわけですが,シリアルナンバーが確認できなくなったからと言って「真贋(本物か偽物か)」に影響はありません。真贋におけるシリアルナンバーの確認は,いくつもある要素の1つに過ぎないからです。しかし「査定」に関しては,「影響は全くない」とは言い難いと思います。製造時期が分からない以上,製品の状態で判断するしかなくなるからです。そこで,いくつかのサイトでも推奨されていますが,購入時のレシートが査定にプラスになる可能性があると思われます。もちろん「レシートがなければ査定はできない」という意味ではありませんが,もし売却を念頭に置いておられるのであれば,購入時のレシートを大切に保管されることをお勧めいたします。

 

今回も少々長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。また機会があれば,質屋らしい記事を書いてみたいと思っています。

 

ひらいわ質店

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